香港映画祭 2021
香港映画祭開催について
リム・カーワイ
映画監督、香港映画祭2021キュレーター
香港の言論と表現の自由が、中国により益々厳しくなっていると、最近懸念されている。もちろん映画業界への影響も計り知れない。特にクリエイターやスタッフ、俳優たちは香港映画の独自性とアイデンティティーについて、より深く考え始めている。また、従来の映画会社も娯楽だけのメジャー映画ではなく、もっと香港人の日常生活に寄り添うような映画を企画・製作するようになってきている。政治的な影響は、皮肉なことに香港映画の製作形態、内容、ジャンルをさらに豊かに、さらに強靭にした可能性がある。香港映画の魅力はエンターテインメントだけではなく、社会の変化、日常生活の問題などに真剣に取り組むという温かい眼差しであり、さらにその豊かな表現力の中にある。
『夢の向こうに(幻愛)』 2020年
監督:キウィ・チョウ
『酒徒』 2010年
監督:フレディ・ウォン
初開催となる「香港映画祭2021」は、最近の香港の変化を反映して作られた商業映画を紹介し、香港映画のアイデンティティーを強く意識した映画たちに焦点を当てる。上映される7作品の内、新人監督のデビュー作が5作品も含まれている。香港のベテラン、スター俳優の新たな魅力を引き出した、新人監督たちの力量には驚くべきものがある。本映画祭の開催により、ぜひ香港映画の底力を感じていただき、日本の観客にもっと香港映画の魅力を知ってもらい、香港と日本の文化交流がより深く、より豊かなものになればと期待している。
また、新型コロナウイルスの感染拡大により、地方のミニシアターの経営と番組編成が大変厳しくなっているのも事実である。関西と名古屋のミニシアターと本映画祭を共催することにより、映画文化の多様化に貢献するだけでなく、少しでも映画館が活気を取り戻して、盛り上げることができれば、まさしく本望である。
『幸福な私(幸運是我)』2016年
監督:ロー・イウファイ
『暗色天堂』2016年
監督:ユエン・キムワイ
『最初の半歩(點五步)』 2016年
監督:スティーブ・チャン
『深秋の愛(愛在深秋)』 2016年
監督:リム・カーワイ
『夜の香り 《夜香、鴛鴦、深水埗》』2020年
監督:ミンカイ・レオン、ケイト・ライリー
香港映画祭2021:
大阪・京都・神戸・名古屋・東京─
全国5都市にて開催!
激動する香港から日本初公開の、
作品をラインナップ!
・各作品とも会期中に2回上映。
・ただし東京のみ1回の上映です。
●シネ・ヌーヴォ(大阪)
11月27日(土)~12月3日(金)
●出町座(京都)
12月3日(金)~12月9日(木)
●元町映画館(兵庫)
12月11日(土)~12月17日(金)
●シネマスコーレ(愛知)
12月18日(土)~12月24日(金)
●ユーロライブ(東京)
12月29日(水)、30日(木)
NEWS | 香港映画祭2021
香港映画祭
2021
『香港映画祭2021』3作品上映中止のお知らせ
『香港映画祭2021』で予定をしていました『幸福な私』『暗色天堂』『深秋の愛』は、権利元の都合により、上映を中止とさせていただきます。
11月30日(火)に上記3作品の権利元より、上映許可が出せなくなったとの連絡がありました。以後、権利元との協議を重ねておりましたが、権利元の社内決議にて『香港映画祭2021』への『幸福な私』『暗色天堂』『深秋の愛』の出品を取り下げが決まったとのことで、上記3作品については上映中止せざるを得ないとの決断に至りました。
12/2(木)より、『幸福な私』『暗色天堂』『深秋の愛』の上映は中止といたします。突然の上映中止、スケジュール変更になりましたことを心よりお詫び申し上げます。権利元からの連絡が、すでに映画祭開催中だったこと、そして各劇場の上映スケジュールが告知された後だった為、混乱が生じてしまい、大変申し訳ございませんでした。
シネ・ヌーヴォ、出町座、元町映画館、シネマスコーレ、ユーロライブでの上映スケジュールにつきましては、各劇場HP、映画祭公式HPをご確認ください。
『香港映画祭2021』を楽しみにされていた観客の皆様に、深くお詫び申し上げます。
ご理解ご了承の程、お願い申し上げます。
2021年12月2日
香港映画祭2021実行委員会